EUとユーロの未来を考える

激動の欧州に暮らすピノピノさんのブログ。EUとユーロの未来を占うニュースをセレクトします。

チェコのバビシュ首相、マクロン派?オルバン派?

10月26日付けルモンド紙に載ったチェコ共和国アンドレイ・バビシュ首相のインタビュー記事:欧州議会ではマクロン大統領の与党政党「共和国前進」が属するリベラル会派「欧州自由民主同盟(ALDE)」に参加しながら、反移民・反EUで非自由主義を唱えるハンガリーのオルバン首相とはEUが決めた移民受け入れ分担拒否で共闘する。彼はマクロン派? オルバン派?

  • オルバン首相、ハンガリーの保守党フィデスは保守系最大会派「欧州人民党」に属している。私はALDEに属しているが、同会派のヒー・フェルホフスタット元首相とすべての点で意見を共有しているわけではない。移民問題では、意見を異にする。
  • 2019年5月の欧州議会選挙後、マクロン派と組むか、オルバン派と組むかとの質問に、今のところはわからないが、欧州委員会が発令する指令の数を減らすことが必要だと考える(というリベラルな意見を支持する会派と組む)。
  • 私は親EU派。英国のEU離脱だけでも危険であり、これ以上の欧州分裂はいらない。ロシア、米国に対抗するためには欧州が一つになることが重要だ。
  • 対ハンガリー制裁措置手続きの開始に反対したことについて、ハンガリーやポーランドに審判を下すのは、両国の国民であり、わたしではない。有権者が選挙を通じオルバン首相やカチンスキPiS党首への不満を表明すべきだ。
  • チェコの議会が同性婚を認めるのであれば、私は同性婚に反対しない。
  • 難民やシリア孤児の受け入れを求めるユンケル欧州委員長について、同問題で欧州委員会が欧州を分裂させるのは残念だ。欧州議会選挙後、欧州委員長を新任するが(欧州加盟国の首脳が決めた候補者を欧州議会が承認する形)、(ユンケル委員長のような政治家を職業する者ではなく)生活者としての経験があり、欧州加盟国の実際を理解しようとする人物に勤めてもらいたい。
  • 今日、中欧4カ国が難民受け入れを拒否するのは、密輸業者が連れてくる違法移民が多く、支援制度がこの現状に対応していないからだ。欧州は国境、ライフスタイル、先祖から受け継いだ遺産、文化を守る権利がある。シリア孤児の支援は(孤児をチェコに連れてくるのではなく)シリアで支援施設を建設することだ。

欧州議会におけるチェコの議席数はハンガリーと同数の21議席。

現在は保守系「欧州人民党グループ(EPP)」7人、「社会民主進歩同盟グループ(S&D)」4人、「欧州保守改革グループ(ECR)」2人、「欧州自由民主同盟グループ(ALDE)」4人、「欧州統一左派」3人所属。極右「国家と自由の欧州(ENL)」に所属している議員はゼロ。