EUとユーロの未来を考える

激動の欧州に暮らすピノピノさんのブログ。EUとユーロの未来を占うニュースをセレクトします。

欧州議会選予測、南欧、中欧でポピュリスト政党がリード

5月末の欧州議会選挙に向け、加盟国各国で世論調査の結果が発表され始めています。やはりフランス、イタリア、ハンガリー、ポーランドなどではポピュリスト政党の支持率が高いですね。フランスの極右政党「国民連合」の支持率は20%で、マクロン大統領の政権…

ハンガリー国民は「西欧」を恐れている

非自由主義を信奉する欧州諸国を縦断し「ハンガリー・レポート」を上梓したベルナード・ゲタ(国際政治ジャーナリスト)に聞く(抜粋) ル・モンド紙 2019年3月29日 (問)ハンガリーを取材して驚いたことは何か 誰も(オルバン首相の)現体制(レジーム)を…

欧州:ポピュリズムの誘惑

フランス国営テレビ「France 5」で放映されたドキュメンタリー番組「欧州:ポピュリズムの誘惑」(93分)、とても面白かったです。EUと既存の政治システムに反発する欧州の人民(パープル)とポピュリストのリーダーたちを、イタリア、ハンガリー、フランス…

欧州議会選挙に向けたマクロン大統領の「欧州ルネッサンス構想」は幻想に終わる?

マクロン大統領は3月4日、欧州議会選挙のキャンペーン突入を前に欧州市民に直接語りかける形で「欧州ルネッサンス構想」を公表しました。大統領は、英国のEU離脱に象徴される「国粋主義者(ポピュリストたち)の嘘や無責任」や「欧州に蔓延る現状維持や諦観…

ドイツが産業政策を転換、欧州レベルで保護措置を支持

ドイツが産業政策の転換に乗り出しましたね。2019年2月5日、独アルトマイヤー経済大臣は2030年に向けたドイツの国家産業戦略の中で、国がバイオ科学、人口知能、燃料電池など新しい産業に的を絞って集中的に介入する、EU域外企業による敵対的買収から政府フ…

止まらない!黄色いベスト運動

黄色いベスト運動、止まらないですね。2月23日にも「アクト15」の実施が予定されています。動員数は減ったとはいえ、逆に機動隊・警察官との衝突、公共施設など的を絞った建造物への破壊活動、ジャーナリスト・エリート層への暴力、ソーシャル・メディアでの…

EUの反逆児ポーランド、西欧と東欧の歴史観・世界観の違いを強調

欧州では、とくにフランスでは、「ジレ・ジョーヌ」抗議デモ、ストラスブルグのテロ事件、フランス国内だけでなく、EU内でのマクロン大統領の信任低下、ブレグジットを巡る英国政治の混乱など世間を騒がせる事件が次々と起こっておりますが、今日はあえて皆…

フランス抗議デモ「黄色いベスト」の正体、あの人たちは何者?

世論調査会社Elabeが11月27~28日に1,000人を対象に行った聞き取り調査の結果によると、フランス人の75%が「黄色いベスト(ジレ・ジョーヌ)運動」を支持する(または共感する)と回答。また20%が「自分もジレ・ジョーヌだ」と答えています。「自分もジレ…

フランス抗議デモ「黄色いベスト運動」を考える

こんなことになるなんて予想してなかったな・・・燃料価格の高騰、炭素税の引き上げに抗議して始まったジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)運動。細々と収束していくと思ったら、長期化する様子。11月17日から毎週土曜日ごとに行われるデモ活動は、参加者の数こ…

ユーロ圏共通予算が欧州をポピュリズムから救う?

ルノー・日産カルロス・ゴーン氏の逮捕劇ですっかり陰に隠れてしまったけれど(笑)、独オラフ・ショルツ財務大臣と仏ブルノ・ルメール経済財務大臣は11月19日、マクロン大統領が2017年9月に発表したEU再構築構想(ソルボンヌ・イニシアティブ)の中で提案し…

EUのドイツ化進む?

仏「リベラシオン誌」に欧州政治コラムを持っているジャン・カトルメール記者。2018年のEUインフルエンサー・ランキングで第3位に入りましたね。隠れファンなのでうれしいです。彼のドイツに対する見方は厳しくて、「EUのドイツ化」を懸念する記事をよく書…

欧州議会最大会派EPP、欧州委員長候補を選出。マクロン大統領はEPPの内部分裂を狙う。

2018年11月8日、中道右派の最大会派「欧州人民党(EPP)」はフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた党大会で、2019年5月の欧州議会選挙に向けた同会派の候補者名簿順位1位に同会派の代表を務めるマンフレート・ウェーバー欧州議員を選出しました。ウェーバ…

チェコのバビシュ首相、マクロン派?オルバン派?

10月26日付けルモンド紙に載ったチェコ共和国アンドレイ・バビシュ首相のインタビュー記事:欧州議会ではマクロン大統領の与党政党「共和国前進」が属するリベラル会派「欧州自由民主同盟(ALDE)」に参加しながら、反移民・反EUで非自由主義を唱えるハンガリ…

すでに欧州議会選挙での勝利を確信、イタリアの極右・ポピュリズム政権

イタリアのポピュリズム政党「5つ星運動」と極右「同盟」の連立政権が誕生して4カ月。難民受け入れ拒否や非自由主義への傾倒、欧州各国の極右政党との結束など、「同盟」党首で同政権の内相を務めるマッテオ・サルヴィーニの言動が目立ちますね。難民や移民…

欧州議会選挙で躍進が予想される極右政党グループ

欧州で台頭する極右・ポピュリズム政党。欧州議会で彼は結束し、一大勢力となるのでしょうか。その可能性が高まっているように見えます。 10月8日、極右「国民連合」のマリーヌ・ルペンはローマで極右「北部同盟」のマッテオ・サルヴィーニ内相と会談、「我…

マクロン大統領が苦戦、欧州議会選挙の行方

EU改革に向けたパートナーであるドイツがメルケル政権の弱体化から自国優先主義に傾き、イタリアが極右・ポピュリズム政権の誕生でユーロ加盟国に課せられた財政規律路線から外れ、中欧の先鋭化した保守政権が非自由主義をベースに「新たなEUの構築」を叫ぶ…

ドイツ、EU改革エンジンがストップ

10月14日に実施される独バイエルン州議会選挙。極右「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進で、ドイツ連邦議会でメルケル首相の「キリスト教民主同盟(CDU)」と統一会派を成すバイエルン州の地域政党「キリスト教社会同盟(CSU)」は大きく議席を落とすと予…

ドイツ東部の「反移民」「外国人排斥」暴動が怖い訳

先週、旧共産圏だった中欧4か国が「反EU」、「反移民」、「非自由主義的民主主義」に傾いている理由についてフランスの有識者の見解を書きました。同じことが今、外国人排斥運動が高まっている旧共産圏のドイツ東部(旧東ドイツ)にもいえるのではないかなと…

ハンガリーやポーランド、中欧諸国が反EU、反移民、国家主義に傾くのはなぜ?

欧州で勢力を強める極右・ポピュリズムのリーダー格として注目を集めるハンガリーのビクトル・オルバン首相-9月7日付けのルモンド紙は2019年5月の欧州議会選挙に向けた議論の行方を分析する記事の中で、「主権を持った国家の集合体としてのEU、移民分担受け…

「極右・ポピュリズム打倒」を誓うマクロン大統領が打ち上げた欧州構想って何?

難しい・・・EUって難しいわ。欧州に住んで20年のピノピノさん。EUやEU加盟国について何も知らない・・・っていくことにこのブログを書こうと思いついてからやっと気づきました(汗)。いろいろネットで調べたんですけど、実は今もすっきり整理できていませ…

欧州議会選挙に向け、マクロン大統領の「反極右」「反ポピュリズム」の戦いが始まった!

2017年5月の仏大統領選で「EU再構築、極右・ポピュリズム打倒」を公約して当選したマクロン大統領。2019年5月の欧州議会選挙に向けた彼の動きが活発になっています。公約実現のためには何がなんでも欧州議会選挙で彼の「欧州構想」を支持する政党が多数派と…

EUとユーロの未来を考えるブログを開設する理由

米国での大学卒業を機にフランスにやってきて、かれこれ20年。これまでパリをベースに英国、ベルギー、デンマーク、ドイツ、ポーランド、ハンガリーなど欧州各国を旅してきました。歴史豊かで、安心して暮らせる欧州。自由と人権と平和の国フランス。「この…